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2017年08月02日

いことわれて直接


「どうせ話してないんだろ?大学に行くことにした理由だよ。先輩に会った夕べだって、どうせ舞い上がって大事なことは話してないんだろ?」

里流は困ったように目を伏せた。どうやら図星だったらしい。
順番を間違えただけだよ……と、口をとがらせて小さく言い訳をごちた。

「ほら。」

その場に腰を下ろした沢口は、里流の手を引っ張り座らせた。車座に柏傲灣なって、逃げられないと観念した里流が、口を開く。

「お~、元気だったか?久しぶりだなぁ。パソコンは使えるようになったか?」

「おれ、フリーメールでメアド取ってツイッター始めたんだよ。先生、フォロワー申請してよ。こいつら、ゲームばっかでつまんないの。」

「そうか。すごいな。でも、個人情報は……」

「わかってる。個人情報は安易に載せちゃ駄目なんだよね。一番最初に、先生が教えてくれたから覚えてるよ。だからフェイスブックは大人になってからにしようと思ってさ。」

「しっかりしてるなぁ。」

「駄目だよ……できないもん。」

「ちょっと見てて。これが君の投げ方。ほら!」

彩が同じように投げたボールは、思いっきり逸れて、少年は柏傲灣哀しそうに見つめた。

「投げ方変……」

「そうだね。で、これが俺の投げ方。」

里流に届く真っ直ぐな軌道に、思わず少年が声を上げる。

「わ~……!」
それでもやっと彩に本心を打ち明けられた今日を逃せば、再び彩を失う気がして必死だった。

「そうか……里流は、どんな俺でもいいのか。」

「だから、沢口がいつもおれのこと、ばかだって言うんです。諦めは悪いし、思いきれないし、いつまでも引きずってるって。」

「散々な言われようだな。」

「でも、その通りなんです。迷惑かもしれないって思うんですけど、嫌いになる理由が無くて。なんか、女々しいです。」

里流の好きだった彩は、本当に欠片もなくなってしまって、もしかするとやはり生活の憂さを自分に向けたいだけなのではないか……そんなはずはないと思いながらも、ついそんな風に考えてしまう。
それとも一度抱かれた自分は、誰にでも身体を開く便利な存在と思われてしまったのか……
里流は、唇をかんだ。

「待ってくれ、里流。違うんだ。話を聞いてくれ。」

「おれは……彩さんに失望したくないです……」


「おれは大学で誘われて、女の子とも付き合ったけど……何故かうま柏傲灣くいかなくて。経験がないからかなって自分では思ってたけど、違ったみたいです。彩さんと……って思ったら、何か心臓が破裂しそうです。」

パンツの前がささやかに張っているのを見て、彩もふっと柔らかく微笑んだ。

「なんだ。里流は女に勃たなかったのか?でも、俺に反応してる……ここ、大きくなった?」

「はい……彩さんも?」

「ああ。互いに初心な恋人同士みたいだな。里流に付けた傷を、俺が癒やすなんて言えないけど、触れてもいいか?」

断る理由はなかった。
互いに伝え合ってやっと気持ちを感じる事が出来る。

「おれも彩さんの事、わかっているつもりで何もわからなかったです。知らなも多くて……卒業してからの事、教えてください。……今ならどんなことも聞けるから。」

「おいで。」

シーツだけは新しいものだった。
軋む寝台に腰掛けた彩の膝の上に誘われて、穿いていた物を取り払彩の体温を感じた時、里流の前部は痛いほど強(こわ)くなった。

大きな掌が、里流の素肌を這う。
背後から抱きしめられた里流は、彩の上に倒れ込むようにして横倒しに転がった。
寝台の上で重なり合ってもつれ込む。
「……あぁ……彩さん……」



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